合併時の中間申告 -消費税編-

先日、法人税の合併時の中間申告について書いた。

今回は消費税。

ポイントは中間申告の要否の判定と、要となった場合の金額の計算。

なぜ注意する必要がるかというと、中間申告となった場合に対応しきれない税額が出る可能性があり、

仮決算での対応などを検討する必要があるためである。

 

中間申告の要否の判定


要否を判定する必要があるのは、合併事業年度と合併事業年度の翌事業年度。

①合併事業年度

合併法人の前事業年度の確定消費税額と、被合併法人の最終事業年度の消費税額で判定する。

②合併事業年度の翌事業年度

合併事業年度の翌事業年度は、合併法人の前事業年度の確定消費税額と、被合併法人の最終事業年度の消費税額で判定する。

それぞれ、年11回、3回、1回の中間申告の回数に応じて、除する月数や乗じる月数を変える必要がある。

また、それぞれで判定して、該当する回数の時の金額が中間申告の税額になる。

 

やっぱりめんどくさい


中間申告自体は原則として税務署から税額が通知されてくるため、こちらで税額の金額を計算する必要がない。

会社側はとりあえず要否と金額をセルフチェックで計算して、必要だなという意識さえ持っておけばよい。

ただ、税務署が上記のような判定と税額の計算をするのか、今までこのようなケースに出会ったことがないため、わからない。

かなりの件数の申告数があるなかで、合併の申告を抽出して、わざわざ算式に照らして計算しているのだろうか。

いずれにしても今回のケースでは中間申告での対応はデメリットが大きいので、仮決算で対応する予定である。

去年の6月はカレー屋をやっていた。

じゃがカレー食堂。

写真はスリランカのコロッケを揚げている様子。

合併時の中間申告 -法人税編-

合併をした場合の合併法人の合併後の中間申告の要否について、条文を読んでも理解できずで、悩んでいた。

これについて、消費税に詳しい税理士の方に聞いてみたり、新日本法規の加除式の資料を見たりしてようやく取り扱いがはっきりした。

 

結論としては


法人税及び消費税ともに、合併法人では合併後、被合併法人の確定税額も加味して中間申告をしなければならない。

また、中間申告が必要かどうかの判定についても、被合併法人の確定税額を加味して判定する。

この判定は、合併事業年度と合併事業年度の翌事業年度で必要になる。

 

どのように判定するか


・法人税の場合

合併事業年度は、事業年度開始の日から6カ月以内に合併を実施している場合に中間申告について判定が必要になる。

この場合には、次の合計額で判定及び中間申告額が計算される。

①合併法人の前事業年度の確定法人税額×(6/前事業年度の月数)

②被合併法人の確定法人税額×(適格合併後の期間の月数/確定法人税額の基礎になった事業年度の月数)

また、前事業年度中に適格合併があった場合には次の合計額で判定及び中間申告額が計算される。

①合併法人の前事業年度の確定法人税額×(6/前事業年度の月数)

②(被合併法人の確定法人税額×(前事業年度開始の日から適格合併までの月数/前事業年度の月数)×6/確定法人税額の基礎となった事業年度の月数)

 

ここでいう被合併法人の確定法人税額は、合併法人の事業年度開始の日の1年前の日以後に終了した被合併法人の各事業年度(6月未満のものを除く)の法人税額で合併法人のその事業年度開始の日以後6月を経過した日の前日までに確定したものとなる。

 

意外と盲点だった


合併法人が法人税額ゼロだったりすると、中間申告なしでいいと思いがちだが、被合併法人の法人税額も加味する必要がある。

また、合併事業年度とその翌事業年度で判定等の必要が出てくる点については知らないと対応できない。

中間申告なので、勝手に税務署から税額の通知が送られてくると思われるが、被合併法人の税額がイレギュラーに多かったりする場合は、仮決算で対応しないと大変なことになる。

仮決算してしまえば、先の計算式で計算する必要はない。

 

近所の猫。最近は暑いからか機嫌が悪いようだ。

合併後の中間申告

合併後の中間申告で悩んでいる。

法人税と消費税どちらも。

法人税法71条と消費税法42条にそれぞれ中間申告に関する事項が定められている。

それぞれ1項が一定の条件に該当した場合中間申告が必要とあり、2項で適格合併があった場合について触れられている。

 

第1項では


法人税法では事業年度が6カ月を超えている場合、前事業年度(12か月)の法人税額を12で割って、6を乗じた金額を中間申告で納付しなさいと言っている。

ただし、その計算した金額が10万円以下の場合は中間申告しなくてよいとなっている。

消費税法では前課税期間の確定消費税額を前課税期間の月数で割った金額が400万円を超える場合は毎月中間申告が必要となっている。

それぞれ、第1項1号の条文で、10万円や400万円に該当するかどうかを判定する計算方法が定められている。

 

今回の状況


被合併法人の事業年度終了の日の翌日を合併の効力発生日としている。

したがって、法人税法上は合併の日の前日で事業年度終了となる。

今回のケースでは被合併法人の通常の事業年度終了の日と一致している。

被合併法人は最終事業年度で法人税は10万円を超え、消費税もかなり出る。

一方合併法人の合併事業年度の前事業年度では法人税はゼロ、消費税は免税事業者であった。

したがって合併事業年度では、合併法人単体では法人税及び消費税ともに中間申告の必要がない。

 

第2項によると


第2項では1項の場合において、適格合併をした場合は合併法人では1項第1号の規定によらず、被合併法人が中間申告で納付すべき金額も加算して中間申告しなさいと定められている。

今回のケースだとどうなるのだろうか。

条文を読んではっきりとしないのだが、もともと合併法人で中間申告義務があった場合で、適格合併の場合は2項を適用して被合併法人の中間申告税額を加算するのか、それとも、第1項で合併法人側は中間申告の必要がないとされているので、そもそも第2項の適用はないのか。

 

書籍では


書籍によると消費税の場合、合併法人の中間申告の要否は被合併法人の税額も併せて判定すると書かれていたり、この辺があいまいになっていたりとはっきりしない。

 

個人的には?


条文の解釈に個人の解釈は入る余地はないのかもしれないが、個人的には合併法人側でそもそも中間申告の義務がなければ、合併しても中間申告はないままなのではないかと考えている。

ただし、中間申告義務があるとすれば、それなりに準備が必要なので、この部分ははっきりさせておかないといけない。

ちょっと久しぶりに判断がつかない状況になって困っている。

 

難波の高速道路下。

結構ダイナミックな感じで好き。

阿波座のはもっと立体的で見るのに飽きない。