上場会社の場合、株主(所有)と経営陣(経営)は分離している。
この場合、所有者が経営をチェックする機能が働き、株式会社として機能している状態であると考えられる。
ところが中小企業の場合、所有と経営を分離させることが難しい。
大体、父から子とか、経営者から次世代の経営者へ経営を承継するとき、株式も承継することになる。
なぜ経営の承継で株式も承継するのか
①単純にもって行き場がない
②先代が株式をもったまま亡くなるとよくわからない株主に所有される可能性がある
③経営の承継時、退職金が出て株が安くなっているため
単純にもって行き場がないので、退職金が出て株価が安くなった時に後継者へ承継させているというのと、株式が分散して所有が分離してしまうと中小企業の経営上問題が出てくる可能性があるというのが大きいと思う。
なぜ分離してしまうと問題が出るのか
上場会社の場合、所有と経営が分離しているが、株式の1人ごとの所有割合はコンマ数パーセントという感じに分散している。
株式を所有すると経営に対して口出しができるが、コンマ数パーセントだと影響力は低い。
なので、所有と経営が分離しても問題は大きくならない。
村上ファンドなど数十パーセントという割合で所有されると経営に対する影響力が大きくなり、経営陣の交代なども要求できるようになる。
書いていて思ったこと
中小企業の場合、村上ファンドと同じで、知らない人に数十パーセントと握られると経営がうまくいかなくなる可能性が高い。
そもそも中小企業に株式会社制度はあっていないような気もしてきたので、何か解決方法はないか考えてみた。
①株式会社ではなく社団法人にする
②所有を集中させるのではなく上場会社と同じように分散させる
株式会社の場合、所有と経営が分離しているが、社団にすると所有と経営がセットになる。
中小企業にとってはこれは好都合のような気がする。
最近相続税の税制が改正されてちょっと注意する必要があったり、そもそも社団という名称がまだ浸透していないので何とも言えないが、これから会社を始める方は社団でもいいのかもしれない。
相続税の税制改正により、普通の株式会社よりも不利な課税方法になるので、社団に株式会社を持たせるというような感じで、社団の評価額を株式会社の評価額で反映させることができるようにするなどの工夫が必要だと思う。
また、そもそも株式会社制度の趣旨が所有と経営の分離なので、思いっきり分散させてもいいのかもしれない。
企業間の株式の持ち合いというのがあったが、もっとカジュアルにいろいろな会社が紹介を通じて株式を持ち合うというのもありなのかなと思った。
週末、堺市の船待神社というところで、玉串奉納というのに参加させていただいた。
神社のある堺市の出島には父親の実家があり、私も大学時代の3年ほどを過ごした。